催眠療法に不安のある方へ
「催眠中に見ているもの」

「催眠中に見ているもの」

※2017.3.9、3.15にブログで公開した記事を一部加筆修正し、転記しています(2020.6.15)。

催眠中に見ているものって、何?

催眠中に見ているものは何か。
それは、潜在意識の中にあるイメージです。

催眠中は潜在意識とつながり、イメージが浮かびやすくなる。
言わば、夢みたいなもの。

 

睡眠時に見る夢は、それが非現実なものであっても、そういうものとして体験していますよね。

自分が中世のヨーロッパにいても、空を飛んでいても、何も不思議はないですよね。

そして、夢の場合は検閲という機能が働いて、さまざまな記憶や願望、感情が別のものに形を変えて出てくる。
本人の受け止められる形に変換して見せていると言われています。

そのようにして、記憶や感情を整理したり、願望を満たしたりしています。

 

催眠の場合は、意識的・意図的に心のガードを緩めて、潜在意識にあるものを見に行く感じ。
普段は自覚していない、意識の彼方に追いやっているイメージにつながることができるのです。

 

では、夢と同じようなものだとしたら、催眠中も視覚化された映像として見えるのでしょうか。

実は、ここには誤解があります。

催眠中に出てくるイメージは、「見えるもの」だけではないのです。

イメージは五感で捉える

人によっては、体の感覚として感じることもあります。

ぎゅっと胸が締めつけられる感じ。
抱きしめられてふわ~っと体が緩む感じ。
胸の辺りがもやもやする感じ。

小鳥のさえずりや波の音が聞こえる人もいます。

花の香りや、煙の臭いを感じる人も。

反対に、言葉がポンと浮かんでくる、ただ思うだけ、ということも。

 

得意な感覚は人それぞれ異なるように、催眠中のイメージの捉え方も、さまざまです。

 

これまで催眠療法(ヒプノセラピー)を受けたことはあるけれど、よくわからなかった、見えなかったという人は、おそらくここでつまずいているのではないでしょうか。

五感で捉えているものが何なのかわかるまでに、時間がかかる人もいます。
先にイメージの練習が必要な人もいます。

 

以前、催眠療法を受けてうまくいかなかったという印象で終わっているなら、時間を長めに設定しているセラピストを選ぶのも一つですよ。

私の場合

私の場合、初めのうちは真っ暗でよくわからない。

でも、さまざまな感覚に意識を向けていくと、少しずつわかってくるものがあります。

足元がどうなっているのか。
どんな空気の中にいるのか。
私は誰で、何をしているのか。
そこで何を感じているのか。

砂漠の熱風に包まれて、息苦しく感じながら肉体労働をしていたこともあれば、ヨーロッパの街並みの中ワクワクしながら立っていたこともありました。

小学校の通学路を、「遠い・・・」と思いながら一人で帰っていたことも。

 

そして、これらのイメージはパッと見てすぐに何の場面か、どんなストーリーかわかるものもあれば、なんだかよくわからないものもあります。

「あれ・・・森の中を走っている?何かから逃げているような・・・人なのかなぁ・・・動物?・・・爆撃・・・?」

「煉瓦(れんが)を敷き詰めたようなところに立っています・・・。なんか、足元が濡れている。外国の下水道のトンネルの中にいる感じ・・・?」

「赤土の壁に囲まれているような・・・」

なんて、ストーリーが全く分からないまま細切れに場面が変わっていき、最後に一気に全部がつながって合点がいく、なんてこともありました。

 

テーマによっては、途中から真っ暗になり、何もイメージが出てこなくなることも。

夢と同じように、本人の受け止め難いイメージは出てこないと言われています。

逆に、つらいテーマに向き合おうとしたら、安心できる場所や人が出てきたり、とても幸福な場面が出てきたりすることも。

つらさに立ち向かうための支えを先に用意してくれるのですね。

潜在意識は必要な物から見せてくれる

私自身が催眠療法を学ぶ時、前もって確認していたはずなのに、なぜか通常とは違う順番で受講してしまいました。

後で、それは必要なプロセスだったとわかりました。

 

イメージが出てきても、それが何なのか、何を感じているのか、よくわからない。感情が動いていない感じ。
催眠療法を学び始めた当初の、催眠に対する私のイメージって、そんな感じでした。

 

間違った順番で受講した「年齢退行療法」の実演指導で、私は3歳の頃に戻り、父と一緒にいました。
まぁ、場面が動かない。
3歳の私は恥ずかしくてあまり喋らないし、父も無口であまり喋らない。

何が起こっているのか、私が何を感じているのか、周りはさっぱりわからなかったと思います。

けれども、そこを粘り強く聞いてくださった。

イメージの中で父に抱っこしてもらってしっかり甘えたら、ふわ~っと体が緩んで、ぶわーっと感情が込み上げてきた。堰を切ったようにワンワン泣きました。

 

それ以来、潜在意識が知らせてくれるものを受け取りやすくなりました。

知らず知らずのうちに気持ちを押し込める癖がついていたようです。
私の場合は、それをまず解放する必要があったのですね。

 

潜在意識は、その人にとって必要なものから見せてくれます。

潜在意識の力、自分の中にある自己治癒力を信頼して、委ねてみてくださいね。

 

お問合せ・ご相談はこちら

営業時間
10:00~17:00(完全予約制)
定休日
火曜・木曜・日曜